福岡の中小企業専門のブランディング会社。
事業承継・周年・リブランディングを中心に、ブランド戦略からロゴ、Web、写真、動画、ブランド運用まで伴走します。

ホームブランドデザイン研究所 一覧

Apple:創業50年、CEO交代を経ても変わらない「リンゴ」のロゴ哲学

Brand Design lab.

ブランドデザイン研究所

Apple:創業50年、CEO交代を経ても変わらない「リンゴ」のロゴ哲学

ブランドを読み解く

2021/5/13

こんにちは、スタジオグラムです。
2026年9月1日、Appleは50年の歴史の中でも数えるほどしかない転換点を迎えました。2011年から14年間CEOを務めてきたティム・クックが会長職である「エグゼクティブチェアマン」に退き、後任として社内エンジニア出身のジョン・ターナスが新CEOに就任したのです。しかも2026年はApple創業50周年という記念すべき年にあたります。経営のトップが変わり、会社が半世紀を迎えても、Appleのロゴマークは驚くほど変わっていません。今回はその「変わらなさ」を、ブランドデザインの視点で読み解いていきます。

Apple(アップル)とは?

・社名:Apple Inc. / アップル

・現CEO:ジョン・ターナス(2026年9月1日就任。2001年にApple製品設計チームへ入社し、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長を経て就任)

・前CEO:ティム・クック(2011年〜2026年8月末までCEO。現在はエグゼクティブチェアマンとして政策渉外等を担当)

・非執行会長:アーサー・レビンソン(同時期にリード・インディペンデント・ディレクターへ)

・事業内容:iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple Vision Proなどのハードウェア製品と、それらを支えるソフトウェア・サービスの開発・提供

・創業:1976年(2026年で50周年) 

ブランドデザインの視点で読み解く

視点1:ロゴの由来に宿る「不変の物語」

Appleのロゴマークの由来は、アイザック・ニュートンが万有引力を発見したときの「リンゴ」です。初代ロゴは共同創業者ロナルド・ウェインによる緻密な絵画調のデザインで、額縁にはワーズワスの詩の一節が刻まれていました。しかし発表から1年も経たずに、今日まで続く「一口かじられたリンゴのシルエット」へと単純化されます。

 

50年間、色や質感は何度も変わってきましたが、「かじられたリンゴ」という形そのものは一度も変わっていません。 虹色から単色へ、単色から半透明のガラス調へと表現は時代に合わせて更新されても、輪郭というブランドの核だけは動かさない。私たちが福岡の中小企業のロゴ制作をご支援する際も、まず最初に「この先何十年経っても変えるべきではない核は何か」を経営者の方と一緒に言語化するところから始めますが、Appleはそれを50年間、体現し続けている好例です。

視点2:Apple Storeが体現する「土地ごとのブランド翻訳」

Apple Storeで使われるロゴは、実は世界共通の単色ロゴではありません。新規出店時には、出店する土地の個性を映したロゴマークが、その店舗用にデザインされています。2025年7月には大阪のグランフロント大阪に「Apple梅田」がオープンし、現在営業中の国内店舗としては11店舗目となりました。この限定ロゴは、大阪駅周辺の複雑な地形を思わせる、角柱が曲がりくねりながら交錯するデザインだと言われています。

「同じブランドを、同じ見た目で全国に展開する」のではなく、「同じ哲学を、その土地の言葉に翻訳して展開する」。 これがAppleのローカライズ戦略の本質です。福岡を拠点にする中小企業にとっても、全国チェーンと同じ土俵で戦うのではなく、「この土地だからこそ伝わる伝え方」を持つことが、差別化の起点になります。

参考:「Apple 京都」8月25日(土)にオープン Appleが正式発表、場所は京都ゼロゲートの1階

参考:「Apple 福岡」は9月28日オープン!年内の新店舗開店も予告

参考:「梅田」の街をイメージした「Apple梅田」限定ロゴマーク

2021年の京都・福岡店オープン以降も、この手法は続いています。直近では2025年7月に大阪・グランフロント大阪に「Apple梅田」がオープンしました(国内で11店舗目)。この限定ロゴは、カラフルな角柱が曲がりくねりながら交錯するデザインで、大阪駅周辺の複雑な地形を思わせると言われています。それぞれのApple Storeで、その土地に合ったロゴマークが使用されています。Storeで働くスタッフは「Appleで働く誇り」「その土地で働く誇り」の両方を持ち、仕事に臨むことができそうですね。

視点3:発表会のロゴ演出が生む「期待感という資産」

Appleの新製品発表会では、必ずロゴのアニメーションから幕が開きます。このオープニング演出は、ファンの期待感を高めると同時に、ロゴマークそのものに「革新性」というイメージを重ねていく機能を果たしています。

ロゴは単なる目印ではなく、体験の一部として設計されているのです。中小企業の経営者の方からは「うちにはロゴ以外の予算がない」というご相談をよくいただきますが、実際にはロゴをどう「魅せる場」に載せるかという設計の方が、認知への貢献度が大きい場合があります。 

参考:Appleイベント-Apple

視点4:経営者が代わっても、ロゴの哲学は変わらない

2026年、Appleは創業50周年と同時に、14年間続いたティム・クック体制からジョン・ターナス体制へと移行しました。市場からは「AI時代にAppleは戦えるのか」という厳しい視線も向けられる中での交代です。しかし、この経営体制の大転換の渦中でも、ロゴマークの扱い方-各地のストアで独自のロゴを作り続ける姿勢、発表会での使い方-は、これまでと変わっていません。

経営者が交代する瞬間こそ、「何を変え、何を変えないか」が最も試されるタイミングです。 これは事業承継を控える中小企業にとっても、決して他人事ではありません。NTTが40年ぶりの社名変更でも「守るべき哲学」を明確に打ち出した例と同様に、Appleもまた、経営の主語が変わっても、ブランドの主語(=哲学)は変えないという意思を、ロゴの一貫した扱いを通じて示し続けています。(NTTの事例はこちらの記事でも詳しく読み解いています。) 

このブランドから中小企業が学べること

今回Appleの50年を振り返って、私たちが特に中小企業の経営者の皆さまにお伝えしたいことは二つあります。

一つ目は、「かたち」と「表現」を分けて考えるということです。 Appleはロゴの色や質感を何度も更新してきましたが、「かじられたリンゴ」という輪郭だけは変えていません。ロゴをリニューアルする際、経営者の方はつい全部を新しくしたくなりますが、本当に変えるべきは「表現」であって、「かたち」に込めた哲学まで手放す必要はないケースがほとんどです。

二つ目は、経営体制が変わる節目こそ、ブランドの核を言語化する好機だということです。 事業承継や代替わりのタイミングでは、社名やロゴを一新したくなる誘惑があります。しかしAppleの事例が示すように、経営のトップが代わっても、ブランドの哲学まで手放す必要はありません。あなたの会社で、次の世代に引き継ぐべき「変えてはいけない核」は何でしょうか?

最後に、ロゴやブランディングの「変えるべきもの・守るべきもの」を整理する具体的な方法は、代表・早野が執筆した小冊子でも詳しく解説しています。事業承継や周年のタイミングでブランドの核を見直したい方は、ブランディングを成功に導く方程式(無料小冊子)もあわせてご覧ください。

出典

みつける つくる そだてる
お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。

・ブランドって何?

・マーケティングとどう違うの?

・デザイン会社って何をしてくれるの?

・お客様に選ばれるために何すればいいの?

そんな疑問にお答えする小冊子を代表早野が書きました。
創業16年・60社を超える継続クライアントと1000件を超える案件から導き出した「ブランディングを成功に導く方程式」を無料でお届けします。

期間限定

|

小冊子を無料で受け取る。

この記事を書いた人

早野 悠

Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー

コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。

好きな言葉:知足/縁起 
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩

この著者の記事一覧

Related Article

関連記事

    arrow_forward

    Top

    期間限定小冊子  無料プレゼント