福岡の中小企業専門のブランディング会社。
事業承継・周年・リブランディングを中心に、ブランド戦略からロゴ、Web、写真、動画、ブランド運用まで伴走します。

ホームブランドデザイン研究所 一覧

ミスタードーナツ:55年目の「スローガン刷新」が教えてくれる、老舗ブランドの更新術

Brand Design lab.

ブランドデザイン研究所

ミスタードーナツ:55年目の「スローガン刷新」が教えてくれる、老舗ブランドの更新術

ブランドを読み解く

2021/5/27

こんにちは、スタジオグラムです。
2025年1月27日、日本のミスタードーナツは創業55周年を迎えました。この節目に合わせて同社が発表したのは、新スローガンと新ブランドアンバサダーの起用でした。しかしここで注目したいのは、刷新したのが「スローガン」だけだったという事実です。コック帽をかぶったシェフのロゴマークは、創業以来一度も変わっていません。今回は「何を変え、何を変えなかったのか」を、ブランドデザインの視点で読み解いていきます。

ミスタードーナツ(Mister Donut)とは?

・社名:株式会社ダスキン(DUSKIN CO., LTD.)

・代表:代表取締役 社長執行役員 大久保裕行(2022年6月就任)

・事業内容:訪問販売・レンタル事業を中心とする訪販グループと、ミスタードーナツ事業を含むフードグループを柱とする複数の事業セグメント

・ミスタードーナツの国内展開:1971年大阪・箕面に1号店をオープンして以来展開。現在全国約1,000店舗(2024年12月末時点)

・創業:アメリカボストンで1955年にハリー・ウィノカーが創業。日本では2025年1月27日に創業55周年を迎えた

ブランドデザインの視点で読み解く

視点1:ロゴマークに宿る「手づくりへの敬意」

ミスタードーナツのロゴマークは、コック帽をかぶったシェフのイラストです。このモチーフは創業者ハリー・ウィノカー氏だとされており、「手づくりにこだわる意志」が込められています。 「ミスター(Mister)」という名前自体にも、ドーナツをつくる人を尊重するという意味が含まれています。

実際にミスタードーナツは全国の各店舗で生地から手作りしていますが、そのことは意外にも多くの生活者には知られていません。私たちが福岡の中小企業のブランド支援をする中でも、「自社が当たり前だと思っている強み」が、実はロゴやメッセージに一切反映されていないケースをよく目にします。ロゴに意味を言語化して伝えることの重要性を、ミスタードーナツの事例は改めて教えてくれます。

視点2:55周年で刷新したのは「ロゴ」ではなく「言葉」だけだった

2025年1月27日に創業55周年を迎えたミスタードーナツは、同年3月6日に「いつもあるのに、いつもあたらしい。ミスタードーナツ」という新スローガンを発表し、俳優が新ブランドアンバサダーに就任しました。この刷新でも、コック帽のシェフロゴ自体は一切手を加えていません。

「手づくりのおいしさ」「選べる楽しさ」「誰かの笑顔」「そこで交わされる会話」という四つの視点は55年間一貫しており、新スローガンはそこに「あたらしさ」を一語加えただけの設計です。 ロゴを変えないことで既存ファンの安心感を保ちながら、言葉だけを時代に合わせて更新する。福岡の老舗企業の周年事業をご支援する際も、私たちはまず「ロゴを変える必要はあるのか、言葉だけで十分なのか」を切り分けて検討します。

視点3:新業態店舗での「ロゴの使い分け」実験

大阪・イオンモール茨木にオープンした新業態店舗では、従来の画一的な店舗づくりとは異なり、カウンター式の高いテーブルやガラス式オープンキッチンを採用し、ロゴマークも従来店とは異なるデザインが採用されました。

これは「全店一律」ではなく、業態やターゲットに応じてブランド表現を使い分けるという実験です。フランチャイズ展開する中小企業にとっても、全店舗を完全に統一するだけが正解ではなく、中心地の専門店と郊外店で表現を変えるという選択肢があり得ることを、この事例は示しています。

視点4:経営体制が変わっても、製造現場の哲学は変わらない

ミスタードーナツを運営する株式会社ダスキンでは、2022年6月に代表取締役社長執行役員が大久保裕行氏へと交代しました。この体制下で2024年12月末時点で店舗数1,000店まで回復させ、その勢いの中で55周年のリブランディングが実行されました。

経営トップが交代しても、「全店舗で生地から手作りする」という製造現場の哲学は一度も揺らいでいません。 これは事業承継を控える中小企業の経営者にとっても重要な示唆です。経営者が交代しても、現場のオペレーション哲学まで変える必要はありません。NTTの事例(こちらの記事)でも触れた通り、「経営の主語」と「ブランドの主語」は別物だということを、ミスタードーナツもまた示しています。

このブランドから中小企業が学べること

今回の55周年リブランディングを読み解いて、私たちが中小企業の経営者の皆さまに特に伝えたいことは二つあります。

一つ目は、周年のタイミングは「全部刷新」ではなく「一部更新」でもよいということです。 ミスタードーナツは55周年でロゴではなくスローガンとアンバサダーだけを刷新しました。福岡の企業でも、周年を機に何もかも変える必要はありません。顧客がすでに愛着を持っている要素は残し、新しいターゲットや時代に届けたいメッセージだけを更新するという選択肢があります。

二つ目は、ブランドの「主語」を経営者個人から切り離して言語化しておくことです。 ミスタードーナツは代表交代を経ても「手づくりのおいしさ」という事業の主語を一貫させ続けています。あなたの会社では、経営者が交代しても変わらない「事業の主語」を、何人にも説明できる形で持っていますか?

最後に、長年のブランドを「何を変え、何を残すか」で整理する具体的な方法は、代表・早野が執筆した小冊子でも解説しています。周年事業や事業承継のタイミングでブランドの核を見直したい方は、ブランディングを成功に導く方程式(無料小冊子)もあわせてご覧ください。

出典

みつける つくる そだてる
お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。

・ブランドって何?

・マーケティングとどう違うの?

・デザイン会社って何をしてくれるの?

・お客様に選ばれるために何すればいいの?

そんな疑問にお答えする小冊子を代表早野が書きました。
創業16年・60社を超える継続クライアントと1000件を超える案件から導き出した「ブランディングを成功に導く方程式」を無料でお届けします。

期間限定

|

小冊子を無料で受け取る。

この記事を書いた人

早野 悠

Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー

コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。

好きな言葉:知足/縁起 
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩

この著者の記事一覧

Related Article

関連記事

    arrow_forward

    Top

    期間限定小冊子  無料プレゼント