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キャッチコピー・タグラインのつくり方|一言で「らしさ」を伝える技術

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ブランドデザイン研究所

キャッチコピー・タグラインのつくり方|一言で「らしさ」を伝える技術

ブランドづくりの方程式

2026/6/6

「うちの会社らしいキャッチコピーが欲しいんです。かっこいい感じで、一言でバシッと伝わるやつ。」

先日、ある製造業の社長さんからそんな相談をいただきました。名刺やホームページに載せる言葉を、そろそろちゃんと決めたい、と。でも話を聞いていくと、実は「かっこいい言葉」よりも先に決めるべきことがある、という話になりました。今日はその順番についてお伝えします。

キャッチコピーは「センス」でつくるものではない

多くの経営者の方が、キャッチコピーを「言葉のセンスの勝負」だと思っています。だから「もっとインパクトのある言葉を」「もっと短く、もっと印象的に」と、表現の工夫にばかり時間をかけてしまう。

でも私たちの考え方は少し違います。キャッチコピーは、会社が持っている「選ばれる理由」を、できるだけ短い言葉に圧縮したものにすぎません。逆に言えば、圧縮する前の「選ばれる理由」がはっきりしていなければ、どれだけ言葉をこねくり回しても、浅くて誰にでも当てはまるような言葉しか出てきません。

「安心・安全・信頼」「地域No.1を目指して」といった言葉に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。悪い言葉ではないのですが、どの会社の看板に掲げても違和感がない、というのが問題です。それは、言葉の前段階にある「うちだからこそ言えること」が、まだ言語化されていないサインなのです。

圧縮する前の「素材」を集める

キャッチコピーづくりで最初にやるべきことは、言葉を考えることではなく、素材を集めることです。私たちが「みつける」フェーズと呼んでいる工程がこれにあたります。

  • お客様は、他社ではなくなぜうちを選んでくれたのか

  • 社員が「うちの会社のいいところ」として口にするのはどんな話か

  • 創業のきっかけになった、ちょっとしたエピソードは何か

  • 競合と比べたとき、譲れずにこだわっている部分はどこか

これらを丁寧に拾い集めていくと、必ずどこかに「うちにしか言えない言葉の種」が見つかります。ブランドアイデンティティの構築については、以前[B.I.(ブランドアイデンティティ)とは?「つくる」の最初の一歩]でも詳しくお話ししましたので、まだ素材集めをしたことがない方はぜひ参考にしてみてください。

素材を「一文」に絞り込む3つの視点

素材が集まったら、次はそれを絞り込んでいく作業です。ここで意識していただきたいのが、次の3つの視点です。

1. 機能的価値ではなく、情緒的価値を主役にする
「高品質」「低価格」「スピード対応」といった機能的な強みは、頭で理解される価値です。一方でキャッチコピーが本当に響くのは、心で理解される情緒的な価値のほうです。「安心して任せられる」「ここに頼めば間違いない」という感覚を生み出しているのは、機能ではなく、その会社の姿勢やお客様との関わり方であることがほとんどです。

2. 業界の当たり前を疑う
同業他社のホームページを並べて見てみると、驚くほど似た言葉が並んでいることがあります。それは、業界内では「当たり前」とされている価値が、実は差別化のポイントにならないという証拠でもあります。あえてその業界の常識から一歩外れた表現を探してみると、独自性が見えてくることがあります。

3. 誰が読むかを一人に絞る
「みんなに伝わる言葉」を目指すと、結果的に誰にも刺さらない言葉になります。商品やサービスを届けたいお客様を思い浮かべながら、その人に語りかけるつもりで言葉を選ぶと、驚くほど輪郭がはっきりします。

つくった言葉は「一人で」決めない

もう一つ大切なのが、キャッチコピーを社長一人の感覚だけで決めないことです。社内でいくつか候補を出し合い、社員に「一番しっくりくるのはどれか」と聞いてみる。これは単なる多数決ではなく、その言葉が社内にちゃんと根付くかどうかを確かめる作業でもあります。

どれだけ良いキャッチコピーができても、社員がその言葉に共感していなければ、日々の接客や仕事の中でその言葉通りの振る舞いが生まれません。キャッチコピーは外向きの飾りではなく、社内にも浸透させるべき「合言葉」だという意識を持っていただくと、言葉の使い方そのものが変わってきます。このあたりの考え方は[ブランドストーリーとは?会社の「らしさ」を言語化する方法]でも触れていますので、あわせてご覧ください。

まとめ:言葉より先に、理由を

キャッチコピーづくりに行き詰まったときほど、言葉そのものをひねり出そうとするのではなく、一度立ち止まって「なぜうちが選ばれているのか」に立ち返ってみてください。素材さえしっかり集まっていれば、言葉は自然と絞り込まれていきます。

私たちスタジオグラムは、福岡市内の中小企業の皆さまと一緒に、この「素材集め」から「言葉への圧縮」までを伴走しながら進めています。センスの良し悪しではなく、選ばれる理由をどう言葉に翻訳するか。そこに一緒に向き合わせていただければと思います。

無料小冊子「みつける、つくる、そだてる|お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。」では、言葉に落とし込む前の「選ばれる理由」の見つけ方を、具体的な手順とともに解説しています。ご興味のある方は、以下からダウンロードしてご覧ください。

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この記事を書いた人

早野 悠

Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー

コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。

好きな言葉:知足/縁起 
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩

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