Brand Design lab.
ブランドデザイン研究所
ブランドストーリーとは?会社の「らしさ」を言語化する方法
Type Something
2026/5/12

「うちの会社の『らしさ』って、正直よく分からないんです」。
福岡の経営者の方から、こんな言葉を聞くことがあります。長年その会社で働いてきた方ほど、実は自社の「らしさ」を客観的に言葉にするのが難しいものです。当たり前になりすぎていて、何が特別なのか、自分では気づきにくいのです。
こうした「らしさ」を、外から見ても伝わる言葉として整理したものが、ブランドストーリーです。今日は、ブランドストーリーとは何か、そしてどうやって言語化していくのかをお話しします。
ブランドストーリーとは、単なる「会社の歴史」ではない
ブランドストーリーと聞くと、「創業何年に、こんなきっかけで会社を始めました」という社史のようなものを想像される方が多いかもしれません。もちろん創業の経緯は大切な要素ですが、ブランドストーリーはそれだけではありません。
私たちが考えるブランドストーリーとは、「なぜこの会社が、今もお客様に選ばれ続けているのか」という理由を、時間軸を持った物語として語れる状態にしたものです。過去の出来事だけでなく、そこにある想いや、乗り越えてきた壁、そして今大切にしていることまでを含めて、一本の筋が通った物語として整理します。
この物語は、他社が簡単に真似できない、その会社だけが持つ独自の情報です。同じ業種、似たようなサービス内容の会社であっても、歩んできた道のりや大切にしてきた想いはそれぞれ違います。この「コピーできない独自情報」こそが、ブランドストーリーの価値です。
ブランドストーリーは「みつける」の集大成
ブランドストーリーは、いきなり文章を書き始めて作るものではありません。私たちのメソッドでいう「みつける」——お客様を知り、競合他社を知り、自社を知る——という工程の中で見えてきた情報を、物語という形に編集し直したものです。
B.I.(ブランドアイデンティティ)として言語化した「選ばれる理由」は、いわばブランドストーリーの骨格にあたります。B.I.については [B.I.(ブランドアイデンティティ)とは?「つくる」の最初の一歩]で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
骨格である理由に、具体的なエピソードや時系列を肉づけしていくことで、初めて「物語」として人の心に残る形になります。
「らしさ」を言語化するための3つの問い
自社のブランドストーリーを言語化する際、私たちは次のような問いを、経営者や社員の方に丁寧に投げかけていきます。
なぜ、この事業を始めたのか。何をきっかけに、今の形になったのか
これまでで一番印象に残っている、お客様との出来事は何か
今、この会社で働くうえで、大切にしていることは何か
これらの問いに対する答えは、一つひとつは些細なエピソードに見えるかもしれません。しかし、それらをつなぎ合わせていくと、その会社にしか語れない、一貫したストーリーが見えてきます。この整理の具体的な進め方については、[経営者が語るべき「創業ストーリー」の作り方]でさらに詳しく紹介しています。
一人で言語化しようとすると、うまくいかない理由
多くの経営者の方が、ブランドストーリーを自分ひとりで書こうとして、途中で手が止まってしまいます。これは決して珍しいことではありません。
理由は、自分にとって当たり前すぎることは、自分では価値として気づきにくいからです。「うちなんて、特別なことは何もしていない」と謙遜される経営者の方ほど、実は外から見ると独自の魅力にあふれていることが多くあります。だからこそ、第三者が丁寧にヒアリングを重ね、経営者本人が気づいていない魅力を引き出していくというプロセスが重要になります。
ブランドストーリーは、どこで活きるのか
言語化したブランドストーリーは、一度作って終わりではなく、さまざまな場面で活用することで、その価値を発揮します。
コーポレートサイトの「代表挨拶」や「私たちについて」のページ
採用ページでの、会社の魅力の伝え方
経営者インタビュー動画や、周年行事での発信
営業資料や会社案内の冒頭メッセージ
特に採用の場面では、ブランドストーリーがしっかりしているかどうかで、応募者の会社への理解度や志望動機の深さが大きく変わってきます。会社の「らしさ」が伝わる物語があることで、条件面だけでなく、共感による応募が増えていくのです。
まとめ
ブランドストーリーとは、単なる会社の歴史ではなく、「なぜ今も選ばれ続けているのか」を物語として語れる状態にしたものです。自社の「らしさ」は、当事者ほど気づきにくいものだからこそ、丁寧な問いかけを通じて掘り起こしていく作業が必要になります。この物語こそが、他社に真似できない、その会社だけの財産になります。
私たちスタジオグラムでも、「みつける・つくる・そだてる」というプロセスを大切に、福岡の中小企業の皆さまのブランドストーリーづくりをお手伝いしています。より詳しい内容は、無料小冊子「みつける、つくる、そだてる|お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。」でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
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お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。

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この記事を書いた人
早野 悠
Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー
コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。
好きな言葉:知足/縁起
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩
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