Brand Design lab.
ブランドデザイン研究所
移転・拡張のタイミングでブランドを見直すべき理由
ブランドづくりの方程式
2026/6/10

「来月、事務所を移転するんです。それで名刺と封筒の住所だけ差し替えようと思っていて。」
そんなご相談をいただいたとき、私たちはいつも少しだけ立ち止まってお話を伺うようにしています。移転や拡張は、単に住所が変わるという事務的な出来事ではなく、実は会社にとって「らしさ」を見直す絶好のタイミングだからです。今日はその理由をお伝えします。
移転は「住所変更」ではなく「節目」である
会社が移転や拠点拡張を決めるとき、その背景には必ず理由があります。手狭になった、地の利の良い場所に出たい、事業の柱が変わってきた、あるいは事業承継や周年を機に環境を一新したい。どんな理由であれ、移転というのは会社のフェーズが一段階変わるタイミングであることがほとんどです。
にもかかわらず、多くの会社では「住所と電話番号を差し替えるだけ」で終わってしまいます。せっかく会社が次のステージに進もうとしているのに、対外的な見え方だけが以前のまま、というのはとてももったいないことです。
なぜこのタイミングでブランドを見直すべきなのか
1. 会社の実態と、見た目のズレが生まれやすい
事業が拡大して移転する場合、業容や取引先の規模、社員数などが以前とは変わっていることが多いはずです。それにもかかわらず、名刺やホームページのトーンが以前のままだと、実態と見た目の間にズレが生まれます。このズレは、新しい取引先やお客様との出会いの場面で、無意識のうちに信頼形成の妨げになることがあります。
2. 社員の意識が切り替わるきっかけになる
新しいオフィスに移るというのは、社員にとっても心機一転のタイミングです。このタイミングで理念やブランドの価値観を改めて共有すると、単なる引っ越しではなく「次のステージへの移行」として、社内の意識がぐっと前向きになります。理念の浸透については[経営理念が社員に浸透しない理由|インナーブランディングの実践法]でも触れていますので、あわせてご覧ください。
3. 取引先・お客様への「報告」を、印象づけの機会に変えられる
移転の挨拶状やお知らせは、多くの会社にとって形式的な連絡で終わりがちです。しかしここは、会社の今の姿や方向性を、取引先やお客様にあらためて伝えられる貴重な機会でもあります。ただの事務連絡として済ませてしまうか、ブランドを印象づける機会として活用するかで、その後の関係性にも差が出てきます。
移転時に見直したいポイント
移転を機にすべてを一新する必要はありません。まずは次のような視点で、現状を点検してみることをおすすめします。
名刺・封筒・会社案内などの紙媒体は、今の会社の規模感と合っているか
ホームページに載っている事業内容や実績は、現状を正しく反映しているか
ロゴや色使いは、今の事業の方向性と矛盾していないか
そもそも、会社として大切にしている価値観に変化はないか
これらを一つずつ確認していく作業は、私たちの言う「みつける」フェーズの一部でもあります。ホームページの見直しについては[ホームページリニューアルで売上が変わらない本当の理由]でも詳しくお話ししていますので、移転を機にサイトの見直しも検討されている方はぜひ参考にしてください。
拡張・多拠点化のケースも同じ視点で
新しい拠点を増やす場合も、考え方は同じです。既存の拠点と新しい拠点で、見た目やお客様への対応にバラつきが出てしまうと、せっかく育ててきた「らしさ」が薄まってしまいます。拡張のタイミングこそ、ブランドガイドラインのようなルールを整備し、どの拠点でも一貫した印象を届けられる仕組みをつくっておくことが大切です。
まとめ:節目を「差し替え作業」で終わらせない
移転や拡張は、会社にとって数年に一度あるかないかの節目です。その節目を、名刺の住所を差し替えるだけの事務作業で終わらせてしまうのか、それとも会社の「らしさ」を見直し、次のステージにふさわしい形に育て直す機会として活かすのか。この選択が、その後数年間の会社の見え方を大きく左右します。
私たちスタジオグラムは、こうした節目のタイミングでのブランドの見直しについても、福岡市内の企業様と一緒に考えさせていただいています。
無料小冊子「みつける、つくる、そだてる|お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。」では、節目のタイミングでのブランドの見直し方についても解説しています。ご興味のある方は、以下からダウンロードしてご覧ください。
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この記事を書いた人
早野 悠
Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー
コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。
好きな言葉:知足/縁起
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩
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