Brand Design lab.
ブランドデザイン研究所
ロゴを変えるだけでは会社は変わらない|リブランディングの正しい順番
Type Something
2026/5/22

「気分を一新したくて、ロゴだけ新しくしてもらえますか」
創業から10年、20年と経った経営者の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。長年見慣れたロゴを変えることで、会社に新しい風を吹き込みたい——そのお気持ちはとてもよく分かります。
ただ、ここで少し立ち止まって考えていただきたいことがあります。ロゴだけを新しくしても、実は会社の印象はあまり変わらない、ということが少なくないのです。今日は、なぜそうなるのか、そしてリブランディングを本当に効果のあるものにするための正しい順番についてお伝えします。
ロゴは「結果」であって「原因」ではない
ロゴマークは、会社の考え方や個性を、視覚的な記号に落とし込んだものです。つまりロゴは、その会社が「何を大切にしているか」という中身があってはじめて意味を持つ、いわば「結果」の部分にあたります。
ところが、多くの場合ロゴだけを変えるという発想は、この順番が逆になっています。中身は変わっていないのに、記号だけを新しくしようとしているため、できあがったロゴが「なんとなくおしゃれになった」以上の変化を生み出せないのです。お客様からしても、ロゴが変わったことには気づいても、会社そのものへの印象が大きく変わることは、実はあまり多くありません。
リブランディングを検討する、よくあるきっかけ
私たちのもとには、次のようなきっかけでリブランディングのご相談をいただくことが多くあります。
創業当初とは事業内容が変化し、今のロゴが実態と合わなくなってきた
社長交代や事業承継のタイミングで、次の世代の考え方を反映したい
創業から一定の周年を迎え、これまでとこれからを見つめ直したい
同業他社が増え、見た目で差別化ができなくなってきた
こうしたきっかけ自体は、どれも自然で前向きなものです。問題は、そのきっかけを「ロゴを変える」という手段にすぐ結びつけてしまうことにあります。
リブランディングの正しい順番
私たちがリブランディングをお手伝いする際、必ず大切にしている順番があります。それが「みつける」「つくる」「そだてる」という3つの段階です。

まず「みつける」:なぜ変える必要があるのか、を言語化する
ロゴの話をする前に、まず立ち止まって考えるべきは、「今、何が変化しているのか」ということです。お客様の求めているものは変わったのか。競合の状況は変わったのか。自社が本当に大切にしたい価値観は何なのか。この整理を飛ばしてしまうと、新しいロゴにどんな意味を込めればいいのかが定まりません。
このプロセスは、ブランドアイデンティティ(選ばれる理由)を構築する作業そのものです。ブランドアイデンティティについては[B.I.(ブランドアイデンティティ)とは?「つくる」の最初の一歩]で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
次に「つくる」:言語化した中身を、ロゴやWEBサイトという形に落とし込む
「みつける」の段階で整理した内容をもとに、はじめてロゴマークやWEBサイトのデザインに着手します。この順番であれば、新しいロゴには「変わった理由」がきちんと込められ、見る人にもその変化が伝わりやすくなります。
最後に「そだてる」:変わったことを、お客様や社員に伝え続ける
ロゴが新しくなったこと、そしてその背景にある想いを、ブログやSNS、社内の朝礼など、さまざまな場面で繰り返し伝えていく必要があります。ロゴを変えただけでは、既存のお客様や社員が戸惑ってしまうこともあるため、なぜ変えたのかという説明を丁寧に重ねていくことが欠かせません。
焦って結論を急がない
リブランディングは、会社にとって大きな節目です。だからこそ、「早くロゴを新しくしたい」という気持ちが先行しがちですが、順番を飛ばしてしまうと、せっかくの機会が「見た目が変わっただけ」で終わってしまいます。
ブランドづくり全体の考え方については[「みつける・つくる・そだてる」とは?中小企業のためのブランドづくりの方程式]でも詳しくお伝えしていますので、リブランディングを検討される際は、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
まとめ
ロゴを変えることは、リブランディングのゴールではなく、あくまで手段のひとつです。本当に会社を変えたいのであれば、まず「なぜ変える必要があるのか」を言語化するところから始めてください。その順番を守ることが、結果として一番の近道になります。
より体系的に「みつける・つくる・そだてる」というブランドづくりの考え方を知りたい方は、無料小冊子『みつける、つくる、そだてる|お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。』をぜひご覧ください。
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この記事を書いた人
早野 悠
Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー
コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。
好きな言葉:知足/縁起
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩
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