Brand Design lab.
ブランドデザイン研究所
ニュースレターやポストカードが効く理由|信頼をじわじわ育てる接点設計
Type Something
2026/5/18

「一度お取引いただいたお客様が、気づいたら他社に流れていた」
そんなご相談を受けることがあります。仕事の質に問題があったわけではなく、単純に「しばらく連絡を取っていなかった」だけ、というケースが少なくありません。お客様の記憶の中で、御社の存在が少しずつ薄れてしまっていたのです。
こうした「離れていくお客様」を防ぐために、私たちがよくご提案するのが、ニュースレターやポストカードといった、あえてアナログな接点です。今日は、なぜこれが効くのか、どう設計すればいいのかをお伝えします。
デジタル全盛の時代に、なぜアナログなのか
メールやSNSでの発信は、手軽で効率的です。しかし手軽であるがゆえに、受け取る側にとっても「流し読みして終わり」になりやすいという弱点があります。日々大量の情報が届く中で、デジタルの発信は埋もれてしまいやすいのです。
一方、郵便受けに届く一通のはがきや手紙は、それだけで特別感があります。デジタルの情報に慣れているからこそ、逆にアナログな接点が「わざわざ届けてくれた」という印象を残しやすくなっているのです。これは機能的価値(情報の中身)よりも、情緒的価値(大切にされている感覚)に強く働きかける手段だと言えます。
「その場で決めてもらう」ためではなく、「思い出してもらう」ための施策
ここで大切な考え方があります。ニュースレターやポストカードは、その場で問い合わせや購入につなげるための施策ではないということです。
お客様が次に何かを検討するとき、頭の中に思い浮かぶ会社の候補に入っていられるかどうか。これが、こうした接点施策の本当の役割です。ブランドづくりには「みつける」「つくる」「そだてる」という段階がありますが、ニュースレターやポストカードは、日々の関係性を少しずつ積み重ねていく「そだてる」フェーズに位置する施策です。一度の接触で結果を求めず、じわじわと信頼を育てていくものだと捉えていただくと、無理なく続けられます。

効果を生む、3つの設計ポイント
ただ闇雲に送るだけでは、コストばかりかかって効果を感じにくいものです。効果を出すためには、次の3点を意識することが大切です。
1. 「誰に」送るかを決める
すべてのお客様に同じ内容を送るのではなく、既存のお客様なのか、過去に一度きりで途切れているお客様なのかによって、内容を変えることが望ましいです。特に、しばらく接点が途切れているお客様にこそ、あらためて思い出してもらう価値があります。
2. 「売り込み」ではなく「近況」を伝える
セールス色の強い内容ばかりでは、受け取る側も身構えてしまいます。近況報告や、ちょっとした豆知識、季節の挨拶など、気負わずに読める内容を中心に据えることで、自然に受け入れてもらいやすくなります。
3. 頻度よりも「続けられる仕組み」を優先する
月に一度でも、四半期に一度でも構いません。大切なのは、無理のない頻度を決めて、それを継続することです。凝った内容を年に一度だけ送るよりも、シンプルな内容を定期的に送り続けるほうが、結果として信頼の積み重ねにつながります。
お客様の声を、そのまま接点にする
私たちがよくご提案する方法のひとつに、お客様インタビューを冊子やポストカードの形にして、他のお客様にお届けするという手法があります。実際に取引をしたお客様の生の声は、会社が語る言葉よりも説得力を持つことが多いものです。「同じような悩みを持っていた人が、こう感じている」という情報は、次の検討をしているお客様の背中を押すきっかけになります。
一人で続けようとしない、という選択
ニュースレターもポストカードも、企画・執筆・デザイン・発送という複数の工程が必要になるため、日々の業務と並行して続けるのは意外と負担が大きいものです。多くの経営者の方が、最初の数回は頑張って続けても、忙しさに紛れて自然消滅してしまうというケースを経験されています。
私たちは、こうした顧客接点づくりを含めて伴走支援する「社外(じゃない)広報課」というサービスを行っています。ニュースレターやポストカード、お客様インタビュー冊子の制作から、SEO対策ブログや公式LINEといった他の発信施策との組み合わせまで、無理なく続けられる仕組みをご一緒に設計しています。
詳しくは [ブランディングは作って終わりじゃない|「そだてる」を仕組み化する広報スタイル ] でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
ニュースレターやポストカードは、即効性のある施策ではありません。しかし、お客様の記憶の中に「思い出してもらえる会社」として存在し続けるための、地道で効果的な手段です。まずは、しばらく連絡が途切れているお客様を思い浮かべ、次にどんな一言を届けられるかを考えるところから、始めてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人
早野 悠
Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー
コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。
好きな言葉:知足/縁起
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩
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