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ワークマン:「見せ方を変えると、ブランドは生まれ変われる」という証明

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ワークマン:「見せ方を変えると、ブランドは生まれ変われる」という証明

こんにちは、スタジオグラムです。

先日、キャンプ用品を探してショッピングモールを歩いていたとき、ふと目に入ったWORKMAN Plusの店舗に立ち寄りました。
明るい照明の下に並んだレインウェア、防寒着、作業靴を手に取りながら価格タグを確認して、思わず二度見をした記憶があります。
2,000円台のレインジャケットが、機能面では数万円のアウトドアブランドと遜色ない。

それでいて、見た目もシンプルで普段使いができる。
「これはなぜここまでできるのか?」という疑問が頭から離れませんでした。

かつては「建設現場の職人さんが使うお店」として知られていたワークマンが、いまではアウトドア愛好家、スポーツ好きの女性、ファッション感度の高い若者まで取り込む「高機能×低価格」の代名詞ブランドとして市場を席巻しています。
この劇的な変化は、何を変えたからこそ起きたのでしょうか。


今回は、スタジオグラムが日々クライアントと向き合う中で大切にしているブランドデザインの視点から、ワークマンを読み解いていきます。

ワークマン とは?

ワークマンは1979年に群馬県伊勢崎市で創業した、作業服・作業用品の専門小売チェーンです。
1982年に株式会社として正式設立され、当初からフランチャイズシステムを採用して全国展開を続けてきました。
創業の背景には、当時の創業グループが関西で流行していた作業着ショップの存在を知り、「これは有望な市場だ」と判断したことがありました。

「職人の店」として長年にわたり、建設・工事・製造の現場で働く人々を支えてきた同社は、2024年3月期の売上高が1,326億円を超え、全国1,011店舗(2024年3月末時点)を展開する作業用品専門店として日本最大手の地位を確立しています。

しかし近年のワークマンが市場の注目を集めているのは、その規模だけではありません。
2018年に始まった新業態「WORKMAN Plus」の立ち上げが、同社にとって創業以来最大のブランド転換点となりました。
商品を変えずに「見せ方」を変えることで新しい市場を開いたこのプロジェクトは、ブランドデザインという観点から見ると、非常に示唆に富む事例です。

ブランドデザインの視点で読み解く

視点1:「同じ商品でも、見せ方で顧客は変わる」というターゲットの再発見

ワークマンの戦略の中で、私たちが最も深く学ばされたのは「商品を変えずにターゲットを広げた」という事実です。

2018年以前、ワークマンの店舗に足を運ぶのは圧倒的に建設業・製造業の現場従事者でした。
しかし、あるとき社内の分析でひとつの気づきが生まれます。
購入データを細かく見ていくと、オートバイ愛好家、山登りを趣味とする人々、キャンプ好きの一般消費者がすでにワークマンの商品を日常的に愛用していたのです。
ところが、「作業服の店」という外観の雰囲気が、彼らを少し近寄りがたくさせていた。

ここでワークマンが選んだのは、「新商品を開発する」ことではありませんでした。
選んだのは「見せ方を変える」こと——それだけです。

WORKMAN Plusは、既存の商品ラインナップをアウトドア・スポーツの文脈で再編集し、ショッピングモール内に出店するという手法で誕生しました。
第1号店は2018年9月、ららぽーと立川立飛内にオープン。
内装を明るく、一般客が入りやすい空間設計にしたことで、「現場職人のお店」だったブランドイメージは、「高機能でコスパ抜群のアウトドアブランド」へと変わり始めたのです。

さらに2020年には、作業服を扱わない女性特化の新業態「#ワークマン女子」を展開。
2025年には「Workman Colors」に改称され、より普遍的なネーミングへと進化しています。

私たちも日々クライアントと向き合う中で、同じような体験をすることがあります。
「新しいサービスを開発しなくても、届ける相手と見せ方を変えるだけで市場が変わる」という瞬間です。
ブランドの再定義は、必ずしも商品革新から始まる必要はない。
ワークマンはその事実を、数字の変化によって鮮やかに証明しています。

視点2:黄色と黒のロゴが語る、プロフェッショナルへの誠実さ

ワークマンのロゴカラーが「黄色と黒」に変わったのは1990年のことです。
それ以前は赤・白・青のトリコロールカラーを採用していましたが、「ケーキ屋と間違えられることがあった」という実体験から、より作業着らしいカラーへの変更が決まりました。

黄色と黒は、建設・工事の現場における「注意・警告」を示す組み合わせです。
と同時に、「目立つ」「力強い」「妥協しない」というイメージを持つカラーコンビネーションでもあります。
この色の選択は、主要顧客である現場職人に向けた「私たちはあなたの仕事を知っている」という明確なメッセージとして機能しています。

造形面でも秘密の設計がなされています。
ワークマンのロゴマークの中には「W」と「M」の二文字が隠されており、WORKMANというブランド名の頭文字と末尾の文字が埋め込まれています。
さらに、マーク内の模様は「多様性」を表現しているとされており、さまざまな職業・ライフスタイルの人々を受け入れるというブランドの姿勢がビジュアルにも織り込まれているといえます。

サブブランドのデザインも見逃せません。
「FieldCore(フィールドコア)」は山をイメージしたロゴでアウトドア志向を表現し、「Find-Out(ファインドアウト)」は風のイメージで躍動感を演出しています。
メインブランドから各サブブランドまで、造形が語るストーリーに一貫した設計哲学が感じられます。

スポーツ・アウトドア分野のブランドにおけるロゴとカラーの戦略的設計という観点では、PUMAのブランド読み解き記事でも詳しく分析しています。
カテゴリは違えど、ビジュアルとブランドコアの連動という視点で、ぜひあわせてご覧ください。

視点3:「広告費ゼロ」を目指す、コミュニティが語るブランドアイデンティティ

ワークマンが掲げるブランドメッセージは「高機能×低価格」です。
これは単なるキャッチコピーではありません。
創業から長年にわたり、建設・工事・製造の過酷な現場環境で働く職人たちの命と安全を守ってきた商品から生まれた、本物の信頼の証です。

この信頼性を市場に伝えるために、ワークマンが選んだのは「テレビCMをほぼ出さない」という逆張りのコミュニケーション戦略でした。
代わりに展開したのが「アンバサダーマーケティング」です。

ワークマンのアンバサダーは現在約50人で、SNSでの発信力を武器にしています。
注目すべきは、彼らへの報酬が「現金ゼロ」であるという点です。
アンバサダーへの対価は「他ブランドに先駆けた情報解禁」「製品開発への参画機会」「インフルエンサーとして成長できる環境の提供」です。


ワークマンはお金ではなく、「価値ある体験と信頼」でファンを仲間にしているのです。

その結果、2022年の新製品展示会ではアンバサダーマーケティングのみで約10.4億円の宣伝効果を達成しました。
これは、商品そのものに本物の実力があるからこそ成立するコミュニケーション設計です。

「デザインは見た目ではなくコミュニケーション手段」というのが私たちの基本的な考え方ですが、ワークマンのアンバサダー戦略はまさにその実践例です。


「誰が語るか」がブランドを形作る。
その意味で、ワークマンのコミュニティ設計は、ブランドアイデンティティを最も誠実に伝える手段として機能していると感じます。

今回この事例を詳しく調べる中で、私たちも改めて気づかされたことがあります。
ブランドの信頼は、広告費の大きさではなく、商品の誠実さと、それを語る人の熱量によって積み上げられる、ということです。

視点4:3業態が作り出す「コアを守りながら広げる」顧客接点の設計

ワークマンの顧客接点は現在、大きく三つの業態に分けられています。

ワークマン(本体): 職人・建設従事者向けの原点業態。作業服・安全靴・防護具が中心で、現場の実用性を最優先した店舗設計になっています。

WORKMAN Plus: 一般消費者向けにリデザインされた業態。ショッピングモールへの出店が中心で、アウトドア・スポーツ好きの家族連れにも対応した明るい空間設計が特徴です。

Workman Colors(旧:#ワークマン女子): 女性をメインターゲットにした業態。作業服は扱わず、女性のアクティブライフシーンに対応したウェアラインで構成されています。

この三業態の設計が巧みなのは、コアターゲット(職人)の信頼を守りながら、新しい顧客層へのアプローチを別レーンで展開しているという点です。
本体ブランドの誠実さを傷つけずに、新しい接点を増やしていく。
このブランドアーキテクチャは、中小企業が新市場へ参入するときに参考にできる構造だと感じます。

注目したいのは、業態ごとの空間設計の違いです。
職人向け本店は機能的で実用的なレイアウト。
WORKMAN Plusはカジュアルで明るい什器とディスプレイ。
Workman Colorsはより女性が心地よく買い物できる空間設計。

同じ商品を扱いながらも、店舗のデザインがターゲットの価値観に語りかけています。
ブランドのメッセージは言葉だけでなく、空間・色・什器の選択すべてで伝わる——ワークマンの三業態はその実例です。

このブランドから中小企業が学べること

ワークマンの事例を読み解いてきた中で、私たちが福岡の中小企業経営者の方に最も強く伝えたいことがあります。
それは、「あなたの会社の商品やサービスは、すでに別の誰かに求められているかもしれない」という問いかけです。

ワークマンは新商品を開発したのではありませんでした。
変えたのは「見せ方」「届ける場所」「語りかける相手」の三つです。
それだけで、何十年も越えられなかった市場の壁を突破し、売上を大きく伸ばしました。

中小企業においても、同じことが起きる可能性は十分にあります。
今の主力顧客の周辺に、まだ見えていない別の顧客層が存在しているかもしれません。
そしてその人たちは、今あるサービスや商品で、すでに満足させることができる存在かもしれない。

ワークマンから学べることを整理すると、次の三点になります。

  • ターゲットの再発見: 既存の顧客データや問い合わせの内容から、想定外の顧客層を発見できることがある。「誰が買っているか」だけでなく「誰が使っているか」まで見る視点が鍵になります

  • 見せ方の再設計: 商品を変えずに、展示・文脈・空間・届ける場所を変えることで、新しい市場が開く可能性がある

  • コアを守りながら広げる: 本来の顧客・本来の価値を損なわないまま、新業態・新接点で展開する。「本業を守る部門」と「新市場を開拓する部門」を分けて考える発想は有効です

事業承継や周年のタイミングは、「今のビジネスを誰に向けて、どう見せるか」を根本から問い直す絶好の機会です。
ワークマンが職人向けブランドとしての誠実さを失わないまま市場を広げたように、あなたの会社も「強みを再発見し、届け先を再設計する」一歩を踏み出すことができる環境にあるはずです。
やらないままでいると、気づかないうちに近くにある市場をライバルに先に取られてしまうリスクもあります。


「あなたの会社は、誰のどんな課題を解決しているのか」——その問いを今一度、立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか?

出典

制作の内容についてはこちらをご覧ください。

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ワークマン:「見せ方を変えると、ブランドは生まれ変われる」という証明

こんにちは、スタジオグラムです。

先日、キャンプ用品を探してショッピングモールを歩いていたとき、ふと目に入ったWORKMAN Plusの店舗に立ち寄りました。
明るい照明の下に並んだレインウェア、防寒着、作業靴を手に取りながら価格タグを確認して、思わず二度見をした記憶があります。
2,000円台のレインジャケットが、機能面では数万円のアウトドアブランドと遜色ない。

それでいて、見た目もシンプルで普段使いができる。
「これはなぜここまでできるのか?」という疑問が頭から離れませんでした。

かつては「建設現場の職人さんが使うお店」として知られていたワークマンが、いまではアウトドア愛好家、スポーツ好きの女性、ファッション感度の高い若者まで取り込む「高機能×低価格」の代名詞ブランドとして市場を席巻しています。
この劇的な変化は、何を変えたからこそ起きたのでしょうか。


今回は、スタジオグラムが日々クライアントと向き合う中で大切にしているブランドデザインの視点から、ワークマンを読み解いていきます。

ワークマン とは?

ワークマンは1979年に群馬県伊勢崎市で創業した、作業服・作業用品の専門小売チェーンです。
1982年に株式会社として正式設立され、当初からフランチャイズシステムを採用して全国展開を続けてきました。
創業の背景には、当時の創業グループが関西で流行していた作業着ショップの存在を知り、「これは有望な市場だ」と判断したことがありました。

「職人の店」として長年にわたり、建設・工事・製造の現場で働く人々を支えてきた同社は、2024年3月期の売上高が1,326億円を超え、全国1,011店舗(2024年3月末時点)を展開する作業用品専門店として日本最大手の地位を確立しています。

しかし近年のワークマンが市場の注目を集めているのは、その規模だけではありません。
2018年に始まった新業態「WORKMAN Plus」の立ち上げが、同社にとって創業以来最大のブランド転換点となりました。
商品を変えずに「見せ方」を変えることで新しい市場を開いたこのプロジェクトは、ブランドデザインという観点から見ると、非常に示唆に富む事例です。

ブランドデザインの視点で読み解く

視点1:「同じ商品でも、見せ方で顧客は変わる」というターゲットの再発見

ワークマンの戦略の中で、私たちが最も深く学ばされたのは「商品を変えずにターゲットを広げた」という事実です。

2018年以前、ワークマンの店舗に足を運ぶのは圧倒的に建設業・製造業の現場従事者でした。
しかし、あるとき社内の分析でひとつの気づきが生まれます。
購入データを細かく見ていくと、オートバイ愛好家、山登りを趣味とする人々、キャンプ好きの一般消費者がすでにワークマンの商品を日常的に愛用していたのです。
ところが、「作業服の店」という外観の雰囲気が、彼らを少し近寄りがたくさせていた。

ここでワークマンが選んだのは、「新商品を開発する」ことではありませんでした。
選んだのは「見せ方を変える」こと——それだけです。

WORKMAN Plusは、既存の商品ラインナップをアウトドア・スポーツの文脈で再編集し、ショッピングモール内に出店するという手法で誕生しました。
第1号店は2018年9月、ららぽーと立川立飛内にオープン。
内装を明るく、一般客が入りやすい空間設計にしたことで、「現場職人のお店」だったブランドイメージは、「高機能でコスパ抜群のアウトドアブランド」へと変わり始めたのです。

さらに2020年には、作業服を扱わない女性特化の新業態「#ワークマン女子」を展開。
2025年には「Workman Colors」に改称され、より普遍的なネーミングへと進化しています。

私たちも日々クライアントと向き合う中で、同じような体験をすることがあります。
「新しいサービスを開発しなくても、届ける相手と見せ方を変えるだけで市場が変わる」という瞬間です。
ブランドの再定義は、必ずしも商品革新から始まる必要はない。
ワークマンはその事実を、数字の変化によって鮮やかに証明しています。

視点2:黄色と黒のロゴが語る、プロフェッショナルへの誠実さ

ワークマンのロゴカラーが「黄色と黒」に変わったのは1990年のことです。
それ以前は赤・白・青のトリコロールカラーを採用していましたが、「ケーキ屋と間違えられることがあった」という実体験から、より作業着らしいカラーへの変更が決まりました。

黄色と黒は、建設・工事の現場における「注意・警告」を示す組み合わせです。
と同時に、「目立つ」「力強い」「妥協しない」というイメージを持つカラーコンビネーションでもあります。
この色の選択は、主要顧客である現場職人に向けた「私たちはあなたの仕事を知っている」という明確なメッセージとして機能しています。

造形面でも秘密の設計がなされています。
ワークマンのロゴマークの中には「W」と「M」の二文字が隠されており、WORKMANというブランド名の頭文字と末尾の文字が埋め込まれています。
さらに、マーク内の模様は「多様性」を表現しているとされており、さまざまな職業・ライフスタイルの人々を受け入れるというブランドの姿勢がビジュアルにも織り込まれているといえます。

サブブランドのデザインも見逃せません。
「FieldCore(フィールドコア)」は山をイメージしたロゴでアウトドア志向を表現し、「Find-Out(ファインドアウト)」は風のイメージで躍動感を演出しています。
メインブランドから各サブブランドまで、造形が語るストーリーに一貫した設計哲学が感じられます。

スポーツ・アウトドア分野のブランドにおけるロゴとカラーの戦略的設計という観点では、PUMAのブランド読み解き記事でも詳しく分析しています。
カテゴリは違えど、ビジュアルとブランドコアの連動という視点で、ぜひあわせてご覧ください。

視点3:「広告費ゼロ」を目指す、コミュニティが語るブランドアイデンティティ

ワークマンが掲げるブランドメッセージは「高機能×低価格」です。
これは単なるキャッチコピーではありません。
創業から長年にわたり、建設・工事・製造の過酷な現場環境で働く職人たちの命と安全を守ってきた商品から生まれた、本物の信頼の証です。

この信頼性を市場に伝えるために、ワークマンが選んだのは「テレビCMをほぼ出さない」という逆張りのコミュニケーション戦略でした。
代わりに展開したのが「アンバサダーマーケティング」です。

ワークマンのアンバサダーは現在約50人で、SNSでの発信力を武器にしています。
注目すべきは、彼らへの報酬が「現金ゼロ」であるという点です。
アンバサダーへの対価は「他ブランドに先駆けた情報解禁」「製品開発への参画機会」「インフルエンサーとして成長できる環境の提供」です。


ワークマンはお金ではなく、「価値ある体験と信頼」でファンを仲間にしているのです。

その結果、2022年の新製品展示会ではアンバサダーマーケティングのみで約10.4億円の宣伝効果を達成しました。
これは、商品そのものに本物の実力があるからこそ成立するコミュニケーション設計です。

「デザインは見た目ではなくコミュニケーション手段」というのが私たちの基本的な考え方ですが、ワークマンのアンバサダー戦略はまさにその実践例です。


「誰が語るか」がブランドを形作る。
その意味で、ワークマンのコミュニティ設計は、ブランドアイデンティティを最も誠実に伝える手段として機能していると感じます。

今回この事例を詳しく調べる中で、私たちも改めて気づかされたことがあります。
ブランドの信頼は、広告費の大きさではなく、商品の誠実さと、それを語る人の熱量によって積み上げられる、ということです。

視点4:3業態が作り出す「コアを守りながら広げる」顧客接点の設計

ワークマンの顧客接点は現在、大きく三つの業態に分けられています。

ワークマン(本体): 職人・建設従事者向けの原点業態。作業服・安全靴・防護具が中心で、現場の実用性を最優先した店舗設計になっています。

WORKMAN Plus: 一般消費者向けにリデザインされた業態。ショッピングモールへの出店が中心で、アウトドア・スポーツ好きの家族連れにも対応した明るい空間設計が特徴です。

Workman Colors(旧:#ワークマン女子): 女性をメインターゲットにした業態。作業服は扱わず、女性のアクティブライフシーンに対応したウェアラインで構成されています。

この三業態の設計が巧みなのは、コアターゲット(職人)の信頼を守りながら、新しい顧客層へのアプローチを別レーンで展開しているという点です。
本体ブランドの誠実さを傷つけずに、新しい接点を増やしていく。
このブランドアーキテクチャは、中小企業が新市場へ参入するときに参考にできる構造だと感じます。

注目したいのは、業態ごとの空間設計の違いです。
職人向け本店は機能的で実用的なレイアウト。
WORKMAN Plusはカジュアルで明るい什器とディスプレイ。
Workman Colorsはより女性が心地よく買い物できる空間設計。

同じ商品を扱いながらも、店舗のデザインがターゲットの価値観に語りかけています。
ブランドのメッセージは言葉だけでなく、空間・色・什器の選択すべてで伝わる——ワークマンの三業態はその実例です。

このブランドから中小企業が学べること

ワークマンの事例を読み解いてきた中で、私たちが福岡の中小企業経営者の方に最も強く伝えたいことがあります。
それは、「あなたの会社の商品やサービスは、すでに別の誰かに求められているかもしれない」という問いかけです。

ワークマンは新商品を開発したのではありませんでした。
変えたのは「見せ方」「届ける場所」「語りかける相手」の三つです。
それだけで、何十年も越えられなかった市場の壁を突破し、売上を大きく伸ばしました。

中小企業においても、同じことが起きる可能性は十分にあります。
今の主力顧客の周辺に、まだ見えていない別の顧客層が存在しているかもしれません。
そしてその人たちは、今あるサービスや商品で、すでに満足させることができる存在かもしれない。

ワークマンから学べることを整理すると、次の三点になります。

  • ターゲットの再発見: 既存の顧客データや問い合わせの内容から、想定外の顧客層を発見できることがある。「誰が買っているか」だけでなく「誰が使っているか」まで見る視点が鍵になります

  • 見せ方の再設計: 商品を変えずに、展示・文脈・空間・届ける場所を変えることで、新しい市場が開く可能性がある

  • コアを守りながら広げる: 本来の顧客・本来の価値を損なわないまま、新業態・新接点で展開する。「本業を守る部門」と「新市場を開拓する部門」を分けて考える発想は有効です

事業承継や周年のタイミングは、「今のビジネスを誰に向けて、どう見せるか」を根本から問い直す絶好の機会です。
ワークマンが職人向けブランドとしての誠実さを失わないまま市場を広げたように、あなたの会社も「強みを再発見し、届け先を再設計する」一歩を踏み出すことができる環境にあるはずです。
やらないままでいると、気づかないうちに近くにある市場をライバルに先に取られてしまうリスクもあります。


「あなたの会社は、誰のどんな課題を解決しているのか」——その問いを今一度、立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか?

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