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GU:ロゴは変えずに中身を変える。20周年に学ぶブランド継承の作法

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GU:ロゴは変えずに中身を変える。20周年に学ぶブランド継承の作法

ブランドを読み解く

2021/5/27

こんにちは、スタジオグラムです。
2026年、ファッションブランド「GU(ジーユー)」は創業20周年を迎えました。この節目に合わせてGUが発表したのは、元「MARNI(マルニ)」クリエイティブディレクター・フランチェスコ・リッソ氏の初のクリエイティブディレクター就任と、商品全体を刷新した2026秋冬コレクションでした。しかしここで注目したいのは、これほどの大転換でも、青地に黄色文字のあのロゴは一切手を加えられていないという事実です。今回はその「変えなかった理由」を、ブランドデザインの視点で読み解いていきます。

GU(ジーユー)とは?

・社名:株式会社GU(ファーストリテイリング完全子会社)

・代表:黒瀬友和社長(2025年4月1日就任。前代表・柚木治氏は退任し、ファーストリテイリンググループ上席執行役員へ)

・クリエイティブディレクター:フランチェスコ・リッソ氏(2026年1月就任。元MARNIクリエイティブディレクター(2016〜2025年))

・事業内容:低価格カジュアル衣料の企画・製造・小売(SPA)。ファーストリテイリンググループの完全子会社

・創業:2006年、千葉県市川市ダイエー南行徳店に1号店をオープンして以来、今年20周年

 ブランドデザインの視点で読み解く

視点1:「優等生の兄」に対する「やんちゃな妹」という設計

GUのロゴは、UNIQLOのロゴも手がけたクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏によるデザインです。UNIQLOの赤地に白文字に対し、GUはあえて反対色とも言える青地に黄色文字を採用しました。

この配色には「UNIQLOという優等生の兄に対し、GUはおしゃれでちょっとやんちゃな妹」というコンセプトが込められています。 同じ親会社のブランドであっても、ターゲットや人格を意図的に差別化することで、カニバリゼーション(自社ブランド同士の顧客の奪い合いを避ける設計)が成立しています。福岡の中小企業で複数ブランドや事業ラインを展開する際も、「中心ブランドとの違いを色と人格で明確にする」という視点は十分に応用できます。

視点2:20周年で刷新したのは「中身」であって「ロゴ」ではなかった

2026年、GUは20周年と同時に、元MARNIのフランチェスコ・リッソ氏をクリエイティブディレクターに迎え、商品ラインアップ全体を刷新しました。背景には、2025年8月期のGU単体の事業利益が前期比13.3%減と、グローバル展開の成果が課題となっていたという事情があります。

経営の手を入れるべきなのは「何を作るか」であって、「どのロゴで伝えるか」ではない。 GUの今回の判断は、この峻別を明確に示しています。福岡の経営者の方からも「業績が不振なのでロゴや社名を変えたい」というご相談をいただきますが、実は問題の本質が商品や体験にある場合、ロゴを変えても解決しないケースが多々あります。

視点3:「自由」という名前に帰ることで一貫性を保つ

リッソ氏によるファーストコレクションは、6つのコンセプトで構成され、ブランド名の由来である「自由」に立ち返ることをコンセプトに掲げています。リッソ氏のデザインは大胆ですが、ブランド名に託された初期コンセプトへ回帰するという意味では、慎重な選択でもあります。

新しい人材を迎えても、「自分たちは何のために存在するか」という原点に立ち戻る。福岡の企業で新しい人材やパートナーを迎える際にも、「自社の社名・ブランド名にどんな意味を込めていたか」を改めて言語化しておくことの価値を、この事例は教えてくれます。

視点4:経営トップもデザイントップも交代しても、視覚の磁石は一度も変わらない

2025年4月に代表取締役社長が柚木治氏から黒瀬友和氏へ、2026年1月にはクリエイティブディレクターがリッソ氏へと、短期間に2つのトップが入れ替わりました。しかし、店頭やパッケージに並ぶ青地に黄色のGUロゴは、この間一度も変えられていません。

顧客が店頭で最初に認識する「目印」を固定したまま、中身の創造性だけを大胆に入れ替える。 これはNTTの事例(こちらの記事)でも触れた「変えることと守ることの使い分け」を、GUは20年という節目で改めて証明しています。中小企業の事業承継や代替わりでも、「顧客が認識する目印(ロゴや屋号)」と「中身(商品やサービス)」を分けて考えることで、変化を恐れずに進められます。

このブランドから中小企業が学べること

今回GUの20周年を読み解いて、私たちが中小企業の経営者の皆さまに特に伝えたいことは二つあります。

一つ目は、ロゴと中身は別々に評価すべきだということです。 GUは事業利益が二桁パーセント減という厳しい局面でも、ロゴを変えるという選択肢は取りませんでした。顧客の認知をゼロから作り直すコストと、中身を大胆に刷新するリターンを天秤にかけ、後者を選んだのです。

二つ目は、ブランド名に込めた初心は、人が変わっても帰る場所になるということです。 GUは「自由」という名前の由来に立ち戻ることで、新体制でも一貫性を保とうとしています。あなたの会社名やロゴに込めた初心は、今も社内で語れる形で残っていますか?

最後に、ロゴと中身を分けて考える具体的な方法は、代表・早野が執筆した小冊子でも解説しています。事業リニューアルや事業承継のタイミングでブランドの核を見直したい方は、ブランディングを成功に導く方程式(無料小冊子)もあわせてご覧ください。

出典

みつける つくる そだてる
お客様に選ばれ、愛され続けるブランドづくりの方程式。

・ブランドって何?

・マーケティングとどう違うの?

・デザイン会社って何をしてくれるの?

・お客様に選ばれるために何すればいいの?

そんな疑問にお答えする小冊子を代表早野が書きました。
創業16年・60社を超える継続クライアントと1000件を超える案件から導き出した「ブランディングを成功に導く方程式」を無料でお届けします。

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この記事を書いた人

早野 悠

Hayano Yu

株式会社スタジオグラム 代表取締役
ブランドマネージャー認定協会トレーナー

コミュニケーションノイズを無くし、争いのない社会を目指してブランディングに取り組んでいます。福岡市を拠点に、3ステップでつくるブランディング×マーケティング手法で述べ60社をお手伝いしてきました。

好きな言葉:知足/縁起 
好きなこと:国内海外旅行/写真/温泉/散歩

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