ホテル(宿泊施設)のビジネスモデルを考える。


※写真は本文には関係ありません。

現在、とある離島での宿泊施設のブランディングが進行中。
その中で考えたことをまとめてみた。

旅行のハードルの低下

世界的に宿泊施設激増傾向の昨今、宿泊施設はオープンすればお客が入る、という状態が続くであろうと思われる。

LCCの路線拡大で移動のハードルが下がり、ネット環境の普及で情報取得・支払いのハードルが劇的に下がった。旅行へのハードルは今後も下がり続けるだろう。


選ばれ続ける宿とは?

そんな中、「選ばれ続ける宿泊施設とは何だろう?」と考えてみた。

多くの旅行者は、旅行に出る度に宿を検索する。
立地やサービスや金額などを総合的に判断して予約を行う。
だから一見さんが多い業態と言える。

しかし、新規客の獲得はリピートの5〜7倍の労力と経費がかかると言われている。


ではリピートを増やせばよいじゃないか?と思うが、これが簡単ではない。

理由は数々あると思うが、
「もう一度行こうかな」というまでの宿泊施設との繋がりを感じることができないことだと私は思う。


あなたの常宿になる、という書くと簡単だが、
年に1回来るか来ないかわからないお客さんの為にどれだけのサービスを提供できるだろうか?




お客さまとのこんな繋がり方はどうだろう?

「会員制プレミアムクラブ」はどうだろう?

例えば、1年間ひとくち1万円を支払うと、年間2ベッドの無料宿泊や、食事の割引、駅(空港)までの無料送迎やアクティビティの無料参加、年数回のレターが宿から届くなどの特典を受けられる。

お客側としては、優先的に満足できるサービスが受けられ、宿泊施設側は事前に売上の一部の予測が立てられる。宿を応援するオーナーに近い感覚とも言える。


【ある宿泊施設で試算してみた】
部屋数:100部屋
1部屋当たりのベッド数:2
宿泊料金:10000円/人/泊
プレミアムクラブ会員数:1000人
プレミアムクラブ会員費用:10000円/年/人

100部屋×2ベッド=200ベッド
1年365日×200ベッド=73000ベッド

稼働率60%換算 43800ベッド
プレミアムクラブ会員数 1000人(1000万円)=2000ベッド

1000人の会員の入会があれば、1000万円の資金を事前に調達することができる。
そして、1000人の会員と繋がり続けることができる。
会員は家族や友人と宿泊してもらえるだろうし、口コミ紹介も期待できる。

それでも43800分の2000ベッドという数は、ベッド全体稼働率の5%程度。
まだまだベッド数の余裕はある。


会員制を行った結果、より顧客満足度を高めることができ、その先にリピート率の向上がある。
さらにその先のファン化やコミュニティ化へとつなげることができる。

その費用を使用して先行投資を行うこともできる。
広告宣伝費の削減にもつながる。
カットできた予算は、顧客満足へと振り向けることができる。

誰でもいいから泊まってください、というスタイルでは継続的に選ばれるのは不可能。
ここに泊まり続けたい、というお客さまだけに注力することが、宿泊施設の継続的な繁栄に繋がるのではないか?と思う。


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のようなことを、ブランドデザインの合間に考えてみました。
私の実家が宿、ということもあって宿泊施設には特別な思い入れがあるのです。